大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

福岡高等裁判所宮崎支部 平成6年(ム)2号 判決

宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井一二六五番地五

再審原告

伊藤イエノ

東京都千代田区霞が関一丁目一番一号

再審被告

右代表者法務大臣

前田勲男

宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井一三番地

再審被告

高千穂町

右代表者町長

稲葉茂生

主文

本件再審の訴えを却下する。

再審費用は、再審原告の負担する。

事実及び理由

一  本件再審の趣旨及び理由は、別紙「再審訴状」記載のとおりである。

二  そこで、検討するに、再審原告の主張は、福岡高等裁判所宮崎支部が同庁平成五年ム第三号損害賠償請求再審事件について平成六年一月二六日に言い渡した判決には、民事訴訟法四二〇条一項七号の再審事由があるというものであるが、再審原告は、右再審事由について、同法二項所定の要件の主張立証をしないし、一件記録よりすれば、右要件に該当する事実はないことが認められる。

そうすると、本件再審の訴えは、再審要件を欠き、その瑕疵の補正ができないから、民事訴訟法二〇二条により、口頭弁論を経るまでもなく、却下するべきことになる。

三  よって、本件再審の訴えは、不適法としてこれを却下することとし、再審費用の負担につき民事訴訟法、四二三条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 鐘尾彰文 裁判官 海保寛 裁判官 横田信之)

第一審確定判決に対する再審訴状

再審訴状

宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井一二六五の五番地

再審控訴人 伊藤イエノ

東京都千代田区霞ケ関一丁目一番一号

再審被控訴人 国

右代表者法務大臣 前田勲

宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井一三番地

再審被控訴人 高千穂町

右代表者町長 稲葉茂生

再審原告が控訴人、再審被告が被控訴人とする。

福岡高等裁判所宮崎支部平成五年(ム)第三号損害賠償請求事件

再審の趣旨

右、当事者間の福岡高等裁判所宮崎支部平成五年(ム)第三号損害賠償請求事件について、同裁判所が平成六年一月二十六日言渡し、同年七月五日確定した左記の判決は、其の手続きに次のような重大な瑕疵がありますので、再審を申立てます。

右、事件の訴訟費用及び本件再審費用はすべて本件再審被告らの負担とする。

主文

一 原判決を取消す。

二 被控訴人国は、控訴人に対し、金二百三万七千三百二十五円を支払え。

被控訴人高千穂町は控訴人に対し、金百万四百四十九円を支払え。

三 訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。

再審の事由

一 原判決の確定

冒頭記載の原判決は、貴、裁判所民事部第二審に係属し、平成六年一月二十六日言渡し、同年七月五日原判決表示の被告にその判決の正本が送達され同年一月二十六日の経過によって確定した。

再審事由となる瑕疵

ところで上記の訴訟手続には、当事者間の福岡高等裁判所宮崎支部平成四年(ネ)第一三三号原審に対して、控訴人が提出した準備書面が全く不知の間に、佐藤外一名の押印とサインで不陳述と認定され、証拠調べの目的を達することなく控訴審が言渡されました。これは、口答弁論公開の規定に違背します。

本件は、再審控訴人が平成三年六月二十八日、生存権の回復を求め得た判決の基礎と為りたる民事に、平成四年六月四日、被控訴人指定者、宮崎地方法務局、訟務官江上久継氏から乙第二号証が提出されました。

これは、租税法規を前提に、公益一方性で作成された、虚偽の陳述偽造書です。控訴人は不知。

真実を追及提訴しましたが、証拠調べに至らず上告指示を得て、漸く平成五年(ム)第三号に係属されました。そこで控訴人は新たな乙第一号証(偽造書)を発見し、偽造書が重なりました。

右の事実は相手方法定代理人の虚偽の陳述が判決の証拠と為った公権力の濫用です。

民事訴訟法第四二〇条七号二項に該当します。

再審控訴人は民法第一条三項に基き生存権の回復を求めて、国家賠償法第一条を申請申立て致します。

平成六年七月十二日

再審控訴人 伊藤イエノ

福岡高等裁判所宮崎支部民事部 御中

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例